白魔法をかけられた
2010年 05月 09日
夏の日差しと青空じゃない。
GWの五月なのに不思議だな。
こんな日差しのときには、目を細めて、ゆっくりと歩きます。
太陽が真上にあるから、翳が小さくて濃いのです。
草花はぼんやりとした朝の光が一番美しい。
人工的な建造物はギラギラと照りつけるこんな日差しが美しい。
今日は人造物の直角が美しい。
今日は、二か月前にともだちになった人から、白魔法の実験台になってほしいといわれたので、初めての場所に出向きます。
記憶のなかの彼女は美しい人だったけれど、あれは、雨上がりのぼんやりした光の中だった。
今日の光のなかで、覚えたばかりの魔法をかけに来るのだから楽しみです。
でも、何をされるのかわからないから不安でもあります。
一度しか会ったことがない若い魔法使いだけど、優しい目をしていたから、そんなにひどいことはされないと思う。
せいぜい猫にされるくらいかな。
それなら喜んで、なります。
待ち合わせの場所は、半透明のガラスで細かく仕切られた場所だった。
建物の中は、薄青い色の光で満たされていて、とても静かだった。
こういうおだやかな光の中でなら、催眠術くらいなら掛けられて、そのまま小動物になってもいいな・・・・・
という気になりました。
でも、白い人が大きなカバンから取り出したものは、マス目の入った板と白黒のチップだった。
囲碁という占いゲームだと教えてくれた。
13本の線の交点に交互にチップを置いていき、自分の領域を広く描いた方が幸運を手に入れるという占いゲームだという。
ぼくが見たことのあるゲームは、もう少したくさんのマス目があり、白黒のチップも丸い器に入れていたと思う。
正座して、おじいさんが考え込んでそのまま石になってしまうようなゲームだと思ってた。
でも、13路という、不思議な数字の盤で、きれいな細長いペンケースから白黒のチップを取り出して配置するほうが、白魔法をかける道具としてはふさわしいと思った。
おしえてもらったら、すごく単純なゲームだった。
かわるがわる置いていくだけだから、誰にでもできる。
でも、最後は置く場所がなくなるよね・・・・・
って聞いたら・・・・・・
そうだね、いつかはおわるよね、と彼女が答えてくれた。
それってなんか、さびしいね・・・・ってはなしかけたら、そうだね、さびしいね、とこたえたけれど、上の空だった。
碁石チップを指先でつまむしぐさがかっこよくて、それが気になって仕方がなかった。
練習したら、ひとさしゆびとなかゆびをのばしたままで、13路盤のうえに置けるようになるかな。
なりたいな。
でもむつかしいんだろうな。
ゲームはぼくが勝ったのだけど、その勝ち方は占いではそれは、負けたことになるみたいだった。
まだ初心者だから勝ち方がよくわからないし、勝った方がいいのかどうかも分からなかった。
魔法がうまくかかったのかどうかもわからなかった。
とってもたくさんのことを話したような気になったのだけれども、ほとんど会話はしていないことに気がついた。
囲碁って不思議なゲームだ。
それいらい、ずーっと、囲碁のことだけを考えている。
それが、彼女のかけた魔法だったのかどうかも、わからない。
今度会ったときにおしえてもらおう。
でも、こんどはいつ会えるのかなあ?
囲碁が好きになったの? 彼女が好きになったの?
それもわからなくなるのがきっと白魔法。
GWの五月なのに不思議だな。
こんな日差しのときには、目を細めて、ゆっくりと歩きます。
太陽が真上にあるから、翳が小さくて濃いのです。
草花はぼんやりとした朝の光が一番美しい。
人工的な建造物はギラギラと照りつけるこんな日差しが美しい。
今日は人造物の直角が美しい。
今日は、二か月前にともだちになった人から、白魔法の実験台になってほしいといわれたので、初めての場所に出向きます。
記憶のなかの彼女は美しい人だったけれど、あれは、雨上がりのぼんやりした光の中だった。
今日の光のなかで、覚えたばかりの魔法をかけに来るのだから楽しみです。
でも、何をされるのかわからないから不安でもあります。
一度しか会ったことがない若い魔法使いだけど、優しい目をしていたから、そんなにひどいことはされないと思う。
せいぜい猫にされるくらいかな。
それなら喜んで、なります。
待ち合わせの場所は、半透明のガラスで細かく仕切られた場所だった。
建物の中は、薄青い色の光で満たされていて、とても静かだった。
こういうおだやかな光の中でなら、催眠術くらいなら掛けられて、そのまま小動物になってもいいな・・・・・
という気になりました。
でも、白い人が大きなカバンから取り出したものは、マス目の入った板と白黒のチップだった。
囲碁という占いゲームだと教えてくれた。
13本の線の交点に交互にチップを置いていき、自分の領域を広く描いた方が幸運を手に入れるという占いゲームだという。
ぼくが見たことのあるゲームは、もう少したくさんのマス目があり、白黒のチップも丸い器に入れていたと思う。
正座して、おじいさんが考え込んでそのまま石になってしまうようなゲームだと思ってた。
でも、13路という、不思議な数字の盤で、きれいな細長いペンケースから白黒のチップを取り出して配置するほうが、白魔法をかける道具としてはふさわしいと思った。
おしえてもらったら、すごく単純なゲームだった。
かわるがわる置いていくだけだから、誰にでもできる。
でも、最後は置く場所がなくなるよね・・・・・
って聞いたら・・・・・・
そうだね、いつかはおわるよね、と彼女が答えてくれた。
それってなんか、さびしいね・・・・ってはなしかけたら、そうだね、さびしいね、とこたえたけれど、上の空だった。
碁石チップを指先でつまむしぐさがかっこよくて、それが気になって仕方がなかった。
練習したら、ひとさしゆびとなかゆびをのばしたままで、13路盤のうえに置けるようになるかな。
なりたいな。
でもむつかしいんだろうな。
ゲームはぼくが勝ったのだけど、その勝ち方は占いではそれは、負けたことになるみたいだった。
まだ初心者だから勝ち方がよくわからないし、勝った方がいいのかどうかも分からなかった。
魔法がうまくかかったのかどうかもわからなかった。
とってもたくさんのことを話したような気になったのだけれども、ほとんど会話はしていないことに気がついた。
囲碁って不思議なゲームだ。
それいらい、ずーっと、囲碁のことだけを考えている。
それが、彼女のかけた魔法だったのかどうかも、わからない。
今度会ったときにおしえてもらおう。
でも、こんどはいつ会えるのかなあ?
囲碁が好きになったの? 彼女が好きになったの?
それもわからなくなるのがきっと白魔法。
by happo_abe
| 2010-05-09 22:30