王子と乞食の物語
2010年 07月 25日
目眩がした。
太陽の光が意識を蒸発させたから。
皇居の堀の、抹茶のような色をした水面からはまだ、腐臭は漂ってこない。
金平糖をふた粒口にした。
甘さを感じるよりも先に痛さを感じる。
金平糖は、甘い敵意だ。
堅い棘を口の中で感じてみる。
優しい気持ちになるとは言えない。
だから・・・・・炎天下の散歩のあいの手に選んだんだ。
猫の餌付けをしている人の痕跡を見つけた。
木々が緑のトンネルを作っている、風の通り道だった。
きちんと整理整頓された大切な私物たちを見ていたら
この人は今は落魄の身であるけれど、優しくて、素敵な人なのではないかと、ふと思った。
もし、わたしがこのあたりに住んでいると仮定して・・・・・・この人と友達になったとして・・・・・・
ということから幻視。
もし、皇居の中に住む貴き方と、お堀の周辺で猫に餌をやるヒトが、そっくりで、二人がいれかわったら・・・・・・
そんな物語・・・・・
つまんない話・・・・・・・
どこにでもありそう。
by happo_abe
| 2010-07-25 05:51