散歩の途中で見かけた日常風景をデジカメで切り取った写真と、小さなつぶやき


by happo_abe
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浅草 お御籤 ぺたぺた歩き旅

自伝的小説は、ジョルダンの読書の時間にて公開します。
ただいま、準備中です。

現在は、キスというテーマで、囲碁関係の作品をアップしています。

こちらも、よかったら読んでみてください。

宙太と由紀とオセロと囲碁 [八歩]



でもね、次回の、メールというお題に、お御籤をぶつけた、表題の作品は、僕はお気に入りなんです。

予告編しか公開できないけど、この下の、続きを読んでみてください(ぺこり)。



写真と連動させたいのだけれど、読書の時間はケータイを意識しているようです。

だから、「街の言葉」に、写真を載せます。


文章は極力カットしましたので、文は、今月末からの「読書の時間」で読んでください。

ページのアドレスがきまったら、ここに書き込みます。





浅草 お御籤 ぺたぺた歩き旅(抄録)

ぼくは、御茶ノ水駅に、ぺたぺたと降りた ・・・・・・(略)

昭和55年夏。

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ぺたぺた、というのは、スニーカーを踏み潰して履いていたから。

聖橋から下を見れば、レモン色の電車が右往左往して、自殺名所になりそうと思うのだが、自殺者はほとんどいないらしい。
若者が信号無視する交差点を、ぼくは三分ほどボーっと見ていた。三十分だったかもしれない。

今日は小旅行をする ・・・・・・(略)

バッグには、詰め碁の本と魚肉ソーセージ。あとは、ゴミみたいなもの。

お堀の水は濃緑だった。水面には、緑の粉が噴いている。


さあ、歩こう。



十年前に学生が大学・政府・機動隊と戦争をしたという、東大安田講堂をめざした。

安田講堂は、イメージよりずっと小さかった。
そして、講堂まえの芝生では、学生がフリスビーをしていた。

機動隊がジュラルミンの盾で身を守りながら、放水や催涙弾の打ち込みをやっていた場所に立って時計台を見上げてみた。

小さい建物だなあ・・・・と思った ・・・・・・(略)

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最新装備の機動隊員に、投石だけで抵抗する学生に、なんとなく好意をもっていたのに、周りの大人たちに遠慮して、一言も言葉を発せなかった。
あの頃ぼくは小学生だった。

安田講堂は、厳重に封鎖されていた。
忍び込んでみようと、ぐるぐる回ってみたが無駄だった。

芝生の地下の食堂で130円のカレーライスと10円のみそ汁を食べた。
値段相応にまずく、それなりに満足した ・・・・・・(略)

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東大をぺたぺたと横切ると、裏門から上野公園に出た。

不忍池もまた、緑色をしていた。
抹茶を溶かしたような濃い緑色。

上野公園では、鳩にエサをやっている浮浪者と目があった。
ドイツ語の本や英字新聞の束をかたわらに置いてあった ・・・・・・(略)

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浅草寺のおミクジは、竹の筒を振って、出てきた竹串の番号の引き出しからお札を取る。
五十円は高いと思ったので、五円を賽銭箱に入れた。
一割を払えば、御の字だろう・・・・と考えた。

卦は「凶」

浅草寺正面の左側には、刺青お断りと書いたサウナがあり、それが小さな商店街の入口だ。



屋根の代わりに藤棚があり、そこに直接家庭用の蛍光灯がつけられていたのも同じだった。

ビニールのテーブルクロスのある食堂で、モツ煮込みやおでん、焼きトンで、昼間っから、焼酎を出す店の一角。

麦藁帽子の少年が、十円握って、カキ氷を食べに来るような田舎の駄菓子屋が、そのまま所在無いオトナ相手に焼酎と食べ物を売っているような、そんな店。
穏やかな、緩やかな時間がとどまっていそうな夏の午後。

お惣菜屋が揚げたてのコロッケやハムカツを持ってきた ・・・・・・(略)

「若いときはやり直せばいいのさ。馬鹿だねぇ、凶を持って来たの? 捨てるもんだよ。」

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いつの間にか、地図のない旅は、自分が年老いてきて、体力や気力が萎えてくるに従い、静かな死に方というイメージに近づいてきた。

記憶の中の東京は、いつも静かだ ・・・・・・(略)
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by happo_abe | 2009-01-20 19:59