暑い日
。
夏休みをとって、家でごろごろしているのがもったいなく思えた。
池袋についたのは9時過ぎ。ホーム上を熱風が舐めている。
駅前のロータリーにわざわざ出たのは、この暑さでオブジェのブロンズ像が溶けてないかというかすかな期待をしたから。
だが、期待に反して、何事もなかった。
ただただ、強烈な太陽光と影のコントラストが美しいだけだった。
女性の多くが傘をさしている。
男性はあまり歩いていない。
もしかしたら、このまま猛暑が続くと、男性はみんな死に絶えて、日傘で闊歩する女性たちの世界になるのかもしれない。
その時まで生き延びて、どんな世の中になるのかを見届けたい。
池袋東口には、コブラのデザインを施したガラス戸がある。
あまりにもリアルなので、怖くて触れることができないから、あのお店は印象に残るけど、売上のプラスにはならないよねぇ、と言われたことを思い出し、わざわざ見に行った。
強烈な下からの照り返しを受けて、凶々しいばかりのコブラの姿があった。
私もこのドアのとっては、さわりたくなかった。
コブラにかかわりあってもロクなことはなさそうなので、最初の目的地の巣鴨へ。
巣鴨のとげぬき地蔵の通りを歩いていると、
(おいおい、若い女性をつれてあるくところか?)
と思われるでしょうけれど、青山、六本木という場所だと、かりてきた猫みたいな八歩猫が、こういうまちだと、生き生きとする。
地蔵通りの端っこにあるのが、都営荒川線の路面電車駅、庚申塚。
路面電車の中は、独特のセンスの広告が満載です。
ドアの上の霊園広告が「墓地墓地考えてみませんか」ですよ。
途中下車した王子では、昭和40年代テイストの信用金庫の看板を見つけた。
こういう看板は、気がついたときに記録しないと、跡形もなくなるのです。
都電の車庫がありました。
「しゃこのなかに、はいらないでください。」
と書いてあります。
車庫の中に入らないでください。 というのが読めない、とっても小さい子に向けて全部ひらがなにしたのかもしれませんが、そのせいで、私という半世紀少々生きてきたヒトへのメッセージとは思わず、ずんずん中に入っていって叱られましたww
入らないでください、くらいは漢字を使ってくれ。
終点の三ノ輪は、レトロなショッピングアーケードになっていて、キュウリ10本198円とか、お菓子のアウトレットとか、お惣菜横町みたいなものすごいお惣菜やさんもあって、みーんな百円~300円で買えるものばっかりです。
嬉しくなって買ったものは、福猫というモナカ120円。
抹茶のかき氷150円。
かき氷を食べながらショッピングアーケードをあるいていたら、彼女もお総菜パンの店でカツサンドを買って歩きながら食べていました。
きっと、日頃は、ご両親から「あのね、あんまり素姓のしれないおじさんと歩きながらモノを食べちゃダメだよ」といわれているに決まってますが、健康な若い人は、それだけでおなかが減るものです。
私は、これもデートだと言い張りたいところですが、たぶん、女性カメラマンが放送作家のおじさんの買い食いに付き合っているように見えたかもしれません。
そういや、彼女が民家の軒先にカメラを向けていたら、通りすがりの自転車にのったオジサンが片手を大きく振って、「もう一回、手を振らなくていい?」と私に大きな声で聞きましたので、丁重にお断りしました。
下町好きです。 青山六本木方面は苦手です。
迷いつつ、浅草まであるくことにしました。
スカイツリーが部分的に見えました。
これが出来上がると、このエリアも大きく変わるんだろうな。
その後、呼び出されて、スカシタ、好きじゃない街麻布十番へ。
蕎麦屋でがっちり打ち合わせして、永坂を出ると、路上で行き倒れがありました。
夜の8時だから酔っ払いとは思わずに、助け起こしてみたら、紙パックの酒があるじゃないですか。
どうやら、のンベオヤジのへべれけオヤジだっただけのようです。
我が家の居間のようにくつろいで熟睡してました。
改めて映像をみると、ドラマのワンシーンみたいです。
このオジサンのファッションとポーズとシチュエーションはとてもよくコーディネートされていると思いますが、こうは、なりたくないな・・・・・
と思いました。
おしまい♪